何故、幹は彼だけを忘れなかったのか 『お兄ちゃん』 幼い頃の記憶がほとんどない幹にとって、 唯一、覚えている遊び友達。 しかし、どこの誰なのかを思い出せない。 ただ一つ残された思い出で、幹の心の拠りどころ。 物語の鍵を握る故人 主人公の祖母 夫が亡くなってからは、娘と孫へ償う代わりにと、 困っている若者を支援し、自宅を下宿『桜坂荘』として提供。 いつかは幹を呼び戻し、『桜坂荘』で暮らしたいと願いながら 逝ってしまった。